【無職】無職の理由(その1)

2009年03月18日
企業の面接官というのは、「無職」であることに対して免疫がない
(≒どう捉えたらいいのかわからない)ので、

無職だった理由を説明する必要がある、

ということを昨日書きました。


というわけで、今日は、
私が面接官をしていた頃に、応募者が語った無職の理由のなかで、
「フーン、なるほどねー。そういうこともあるかもね。」
と思ったもののひとつをご紹介。


その1)ちょっと休憩したかった編

応募者:25?26歳くらいの若い男性。
     新卒で入社した会社を1年くらいで辞め、無職に。
     1年程度の無職期間を経た後、正社員で応募。


私:     「えー、前職を退職されて、結構期間が経っていますが、
        この期間は何をされていましたか?」

応募者:  「うーん、そうですね。特にこれと言って何かをしていた訳では・・」

私:     「ほう。何もしていなかったんですか?」

応募者:  「ええ、まあ実家暮らしですし、
        生活に困っていたわけではなかったので・・。

        あえて言えば、これからどうしようかなあ・・、と考えていました。」

私:     「それはまた、贅沢ですねえ。」(←半分以上イヤミ)

応募者:  「そうですね、一生懸命探せば、仕事は見つからないこともなかったと
        思いますが、どうもそういう気持ちになれなくて・・。」

私:     「やる気がなかった、というわけですね?」
 

応募者:  「私は、中学生のときは真面目に勉強して高校受験に備えましたし、
        高校生のときは真面目に勉強して大学受験に備えましたし、
        大学生のときは、早めに就職活動に取り組んで、内定をもらいました。

        なんていうか、結構真面目にやってきたんです。

        でも、社会人になって振り返ってみると、
        落ちこぼれるのがイヤだったので、そうならないように
        必死に頑張ってたんだなあと。」

私:     「はあ、なるほど。」


応募者:  「落ちこぼれるのはイヤだ、という思いは人一倍強かったですけど、
        でも、別に何がしたい、というわけでもなかったんです。

        仕事はそれなりにやりましたけど、なんかガンバロウって
        気持ちになれなくて・・。1年経ったところで、やめてしまったんです。」
        
私:     「目標を見失った、みたいなことですか?」

応募者:  「そうかもしれませんね。何のために働くんだろう、
        とか思ってしまいまして・・。で、1年間も何もせずにいたわけです。」

私:     「なるほど。ですが、今こうして面接を受けられているということは、
        何か心境の変化があったわけですか?」

応募者:  「はい。あんまり家でゴロゴロしてばかりなのも何なので、
        週に3日程度ですが、コンビニで深夜バイトを始めたんです。
 
        そうしたら、なんか、働いてお金をもらうっていいなあ、と
        しみじみ思ってしまいまして。

        無職の私は、誰かにありがとうなんて言われないけど、
        コンビニ店員でも、たまにお客さんにそう言われたりします。

        自分で働いたお金で、好きなもの買えるって、それもいいなあって・・。」


私:     「労働のスバラシサに目覚めたわけですか?」


応募者:  「そうですね。なんか、新卒で働き始めた頃の自分は、
        色々と働く意味とか、自分の仕事の意味とか、考えてもどうしようも
        ないようなことを考えすぎてたような気がします。

        1年間、無職でブラブラして、ようやくバイトを始めてみたりして、
        働くって、もっと単純に考えてもいいかなと。
        単純に、誰かのためになれば嬉しいし、それでお金がもらえれば
        もっと嬉しいです。

        そう考え始めて、ようやく仕事しよう!働こう!って気持ちが
        出てきたんです。

        無職だった期間は、今まで先のことを考えて心配して、
        先回りして準備していた自分の、ちょっと休憩期間だったかな、
        と思っています。」




大体こんなような話だったと思う。

正直言って、

甘いんだよ!もっとキリキリ命削って働けよ!
血ヘド吐きながらじゃないとわかんないことがあんだよ!


という気持ちもかなりあったが、

まあ、そういう人生もあるかもしれないなあ、とも思った。


その人自身が、
無職の期間は自分にとって必要な休養期間だった
と位置づけているなら、それについては他人がどうこう言うものでもないからだ。


無職だった理由を説明する上で、一番大切なのは、
自分自身が、そのことを恥じずに、
自分にとって必要な時間だった
と位置づけていることではないかと思う。


無職であることを恥じてみたところで、
履歴書に立派な経歴が追加されるわけではないので、
そのことをありのまま捉えて、相手に説明するしかない。


明日は、

その2)働く意味について考えていた編。






Comment
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Re: 是非教えて下さい
>無色さん

コメントありがとうございます。
以前、無職の理由 という記事を書いた事がありますが、確かに3年単位になるとちょっとそぐわないですね。

記事にしてみますので、新ブログの方を覗いてみてください。
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ありがとうございます。
こんばんは

明日面接します。
自分はわけあり無職期間が4年ほどありますが
> 無職であることを恥じてみたところで、履歴書に立派な経歴が追加されるわけではない

この言葉は響きました。
そうだな。ならネガティブに考えることをせず堂々としようと心が決まりました。

ありがとうございました。
Re: ありがとうございます。
>そあり さん

コメントありがとうございます。
お、面接前だったんですね。結果はどうあれどんどん面接を受けて行くしかありませんので、頑張ってください。
よい結果をお祈りしています。

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