【新卒】ゆとり世代って不運だよなあ、と思う事

2011年11月08日
先日、こんなコメントを頂きました。

今は本当にどんな仕事をしたいのかはっきりと決められません。
最近は卒論もやらなければ!と、就職を探すこともしていませんが、やはり早く就職先を決めたいという焦りはあります。

働くということはどういうことなのかとか、その考えは間違っている!など、お叱りの言葉でも構いません!この甘やかされたゆとり世代に助言をいただけたら幸いです。




「この甘やかされたゆとり世代に助言を!」と来ましたか。
いやあ、ハードル高いなあ。

という訳で、ここ数日悩みました。
書いてはボツにし、書いてはボツにしました。
(あ、すみません、本当言うとボツにした記事は1個だけ)

正直言うと、私は20代前半の人々と触れ合って、「ゆとり世代だなあ」と感じたことはありません。
人事の仕事から遠ざかって早数年、新卒採用にも携わっていませんし、今の職場で一緒に仕事をしている新卒さんたちは、なかなかちゃんとした人たちです。


悶々と考えてみた結果、私がいわゆるゆとり世代の人たちに対して思うことは2つあります。

・ゆとり世代って、不運だよなあ
・ゆとり世代って、甘えてるよなあ


というわけで、久しぶりに2回にわけてお送りします。

今日は、ゆとり世代って、不運だよなあ についてです。



ゆとり世代って、具体的には1987年度~1995年度生まれの人達のことを言うらしいです。

ゆとり教育の詳しい内容については理解していないのですが、見たり聞いたりしたことを総合すると、どうやらそれまでの「詰め込み教育」を卒業して「個性重視の教育」へと移行したようです。
徒競走で順位をつけないと揶揄されたアレのことだな、と適当な理解をしております。


個性重視は全くもって悪いことではないと思います。素晴らしいことです。
NO.1にならなくてもいい、もともと特別なONLY1ーー♪ ってやつですね。
そこで重視されたのは、選択の余地なく強要される一律の基準の中での順位ではなく、人が生まれながらにして持っているそれぞれの特性において、短所の穴を埋めるのではなく、長所を伸ばしていこう、という理想だったと思われます。

しつこいようですが、それ自体は非常に素晴らしいことです。


しかし如何せん、ゆとり世代の中でも特に、ここ数年の間に大学を卒業した人たちや卒業を間近に控えている人達にとって不幸だったのは、日本社会がその「ゆとり」を受け入れられるほど余裕がある状況ではなくなったことだと思います。


ここ最近の新卒さんの就職難状態は、2003年までの「就職氷河期」と区別して、「新氷河期」とかなんとか言うらしいです。このブログは2008年から書いているので、スタート時にリーマンショックが発生して翌年の2009年(つまり2010年度入社)から新卒さんの就職活動が非常に厳しくなったことをよく覚えています。


ゆとり世代第一号の人たちが四年制大学を卒業した場合、順当に行って初めて就職戦線に立ったその時、世間はリーマンショックで新卒採用がギュウギュウに絞られている年だったわけです。


それはないわー、と思いますよね。
しかもその前の年までは、そこそこ新卒バブルでしたし。

「ゆとり」「個性」「みんな違ってみんないい」「あなたはあなたの素晴らしい点を伸ばせばいい」と言って学生時代に散々余裕のある生活を送らせておいて、さあいざ社会に羽ばたくぞ、となったその瞬間に、企業からは、

「戦って勝つ。日本が生き残って行くにはそれしかない。我が社ではそのための戦力を採用したい!」と言われたわけですから。



そりゃあまあ、企業側の求める人材像と食い違うのは無理ないわー、と思うわけです。だって、戦って勝つことが目標だなんて、そんな教育されてないわけですから。



いわゆる今のゆとり世代の方々が、仕事に対してアグレッシブな姿勢を取りづらいのは、もちろん教育の影響だけではなくて、数年上の先輩たちが就職氷河期にヒイヒイ言っているのを見ていたから、っていうのもあると思いますけどね。

まあでもしかし、時系列にゆとり教育導入の時期と不景気の時期を見てみると、滑稽というほかないくらい、その時代に求められない教育制度をひいちゃったんだなあ、と思います。


だからこそ、とても人事な視点で書かせて頂くならば(じんじな視点、ではなくて、ひとごとな視点)
ゆとり世代の人たちって、不運だなあ、と思うのです。



まあしかし、「あなたたちって不運ですよね」なんていうのは、単なる同情であって、何の責任も持たない者の感想にすぎません。私はこんなブログを書いていますし、こうしてリクエストをくださる読者の方もいるわけですから、多少なりともそこに責任を感じるべきなのではないかと自らを奮い立たせて、次回は、同情からもう一歩踏み込んだ意見を書いてみる予定です。



(続きはまた次回)

【続き】
【新卒】ゆとり世代って甘えてるよなあ、と思う事



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Comment
No title
なんか他人事ですよね>不運だなぁ
ゆとりより上の世代が皆そんな感じだから今の日本が腐ってるんじゃないんでしょうか。
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所詮、他人事ですよね

何でもかんでも“だから、ゆとり世代は”と揶揄されますが、実際のところ大人達が「ゆとり教育」を推進し、その実験台にされ一番の被害者と言っても過言ではないと思います。この20年間以上、低迷した日本経済にしたのも、年配の方々が長々と会社に居座ることで、新卒枠が減少し就職難になっているのも、大半は大人達の責任ではないでしょうか。
失業率からみてとれるように、若者の方が職に就けないという異常な事態がおきています。
ある所では、「次の世代に…」という一方で自信の肥やしは譲らず搾取するといった状況が、今のバブル世代以上に顕著に見られますよ。

人は自分の世代を基準として見るので仕方ないことかも知れませんが、真剣に若者の現状について目を向け考えるべきかと思いますけどね。
若者に『職を与えない=稼ぎを与えない』つもりでいるなら
将来自分達が老人になったときに若者に養ってもらおうとするなよと言いたい
この世代の者です。
私は世間で言われる程ゆとり世代は弱くないと思います。
この不況で就活は厳しくなりましたが、求められるものが高くなりより真剣に社会や仕事に対する意識も高まったと思うんです。
就職や仕事がうまくいかないのが時代や大人たちのせいだ、なんて言葉が通るのは高校生までじゃないですかね?
時代が悪いなら自分達で良くすべきなわけで。。

俺達が日本背負ったる!引っ張ってやる!と考えてる若者も沢山いることをマスコミにはもっと取り上げて欲しいですね(^^)
No title
時代が悪いなら自分たちでよくすべき、本当にそうだと思います。
失われた10年、20年。責任とってほしいですね(^^)
Re: No title
>名無しさん@ニュース2ちゃん さん

コメントありがとうございます。
そうですねえ、「時代が悪いなんて、甘えるんじゃない!」なんてことは全然言いたくないんですけどね。

今の大人というか中堅層の人々は、自分や自分の周囲の人々の生活を守るために必死になっているわけですが、若い人たちまでが、その雰囲気にあわせて、自らの中に籠っていってしまうような傾向は、よくないと思うんですよね。

ジジババの言うこと聞いて、公務員になりたいなんて言ってちゃだめだよ、と思うのです。


Re: タイトルなし
>nica さん

コメントありがとうございます。

「ゆとり世代」と括られることを忌々しく思っている人たちも、多くにいるに違いないと思います。
もちろん逆風が強ければ強いほど、雑草はぐいぐい伸びるわけでして、10年後の日本を変える力は今まさに、nicaさんたちの世代の中で育っているんだと思いますよ!

Re: タイトルなし
> 名無し『職を与えない=稼ぎを与えない』さん

コメントありがとうございます。
職を与えない=稼ぎを与えない=年金もらおうとすんなよ、かあ。なかなか鋭い指摘ですねえ。
(あ、年金のことだけじゃないかもしれませんが。)

「若者に仕事を!」っていう総論には誰も反対しないと思うんですよ。誰一人反対しないと思います。だけど、例えば、今、62歳くらいの団塊の世代の人たちに、「若者に仕事を譲ってください。あなたが仕事を辞めてください。」ってお願いしても、「わかった!」って言う人はすごく少ないと思うんですよね、誰だって生活がありますから。

60歳を超えた人たちが、ちゃんと引退できて、若者に仕事をバトンタッチしていけるにはどうなるのがいいんですかねえ。

Re: 質問です。
>usagi さん

コメントありがとうございます。
フリー時代の給料を質問される、ですか。まあ普通にあるような気がします。

記事にしてみますので、少々お待ち下さい。

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