【新卒・キャリア】専門職に就きたいんです

2011年08月18日
面接官をしていた頃、
専門職に就きたいんです、とか、プロになりたいんです
という話を面接の場で応募者の方から聞くことが結構ありました。


この話を聞くと、いつもちょっと複雑な気分になりました。


極論ですが、個人的には、
本当の専門職って、社員じゃなくていいんだよね
と思っているからです。



特定の道を極めたい、という気持ちはすごくわかります。
特定のジャンルに秀でた知識や経験と実績があると、周囲からも頼られますし、それを武器に生きていくことができますし、その道について研鑽を積んでいけば未来が明るいので、すごくわかりやすいのです。
課題がはっきりしていて、人生の目標も立てやすいのです。


それは面接の場で「強み」にはなると思います。
ほかの人にはない経験、努力の成果である知識、いずれもそれを持たない人と比べると大きな価値になります。


ですが、実際に企業の中で働いてみるとどうかというと、業務の7割くらいは、自分の専門とは異なる分野の仕事をしたり、雑事をこなしたり、調整事があったりして、実態として、それは「専門職」とは異なるものとなります。

この場合の「専門職」の定義は、「特定の領域において、他の人ではなし得ないことやレベルの業務をこなし、かつ専門外のことは一切やらなくていい人」という意味だと捉えてください。



本当に、自分が目指している道に対して、それに対してだけ時間を割きたいし、その業務に対してだけ誠実でありたいと望むのであれば、フリーランスでやるか、もしくは契約社員や業務委託という形態で働くしかないのではないかと思うのです。(フリーランスは、それはそれで様々な雑事に追われることになりますが。)



企業は、完成された専門職の方には、そのスキルが必要なときだけ仕事をしてほしいと望みますし、中途半端な「専門職志望」の方には、専門職然としていることを許しません。


なので、専門職を目指している途中経過では、丁稚奉公中だと思って、何でもやる姿勢を見せた方がいいと思います。



職種によって、プロフェッショナル度の傾向は異なりますが、企業で正社員で働くことを前提とするのであれば、やはり「得意分野のあるゼネラリスト」のほうが重宝されるわけなのです。


その腕一本で生きていくプロって、すごくかっこよくて憧れるんですけどね。




【関連記事】
【キャリア】前職での仕事内容説明のコツ(全く同じ仕事はない)







Comment
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
こんにちは。現在就活(公務員試験)で悩んでおりこのブログを見て何かアドバイスが頂ければと思いコメントしました。

私は自分で自己分析もきっちりしたと思っていますし、話し方もそこそこ上手な方だと思っています。しかし面接官の方には「受け答えにそつがなさ過ぎて君の本性がわからない」、「発言が優等生すぎる」等と言われることが多く面接がなかなか突破できません。
しかし私が面接で言っていることは嘘ではなく基本的には自分の考えですし(もちろん嘘をつくときもたまにありますが)、本性を隠そうという気はないのに上記のことを言われて戸惑っています。

何かアドバイスがあったらお願いします。
長文失礼しました。
Re: タイトルなし
>名無しさん

コメントありがとうございます。
おおー、なるほど「そつがなさ過ぎてなかなか合格しづらい」わけですね。
興味深い内容なので、ちょっと記事にさせていただきます。

少々お待ちください。

管理者のみに表示