【面接官の心得】採用部署のメンバーに面接同席してもらうときに気をつけるべき事

2010年12月14日
今日は、面接官の心得シリーズなのですが、
今まで書いて来たような「普段面接をしていない人が、面接官をすることになったときの心得」ではなくて、人事向けの心得です。


採用部署のメンバーと一緒に面接をする、というのはよくあることです。

特定部署の人員を補填する意味で行う中途採用面接の場合には特に、人事だけで面接を行うケースよりも、部署メンバーと一緒に行っていく手法のほうが一般的だと思われます。

当然、ある程度固定のメンバーと何度か一緒に面接を行っていくことになるのですが、そのときに気をつけなければならないことについてです。


まあ、部署代表として面接官として出席されるので、全くのぺーぺー平社員が登場する、ということはなく、いわゆる課長職とか、課長代理職、のような人が面接に登場するのが一般的なのですが、ここで気をつけなければならないのが、その人に対する周囲の評価はどうなのか、という点です。


まあですねえ、なんというか企業の中の手練手管、みたいな感じであまり胸を張って言える事柄ではないのですが、そこそこの規模の企業で、そこそこのポジションについている人であっても、
周囲から120%の信頼を得ている、上司からも部下からも他の部署からも、仕事面でも人柄でも、という人物はまれな存在であって、人間であるからには何かしらの欠点はあるはずなのです。

とは言え、一緒に何人かを面接していったりしていくと、その相手の人物評や、その相手が求めている人物像に、やっぱりそれなりに影響は受けて行くものです。

「一緒に面接をしている人が求めているような人」を採用するだけなら、それはまあそんなに難しくないのですが、場合によってはなかなかそうもいかないわけなのですね。



人事の仕事っていうのは、まあかっこよく言うと、
「事業を推進していく上で必要な人的資源を確保する」ことが重要だったりします。特に中途採用の場合。(いや本当にかっこよく言ってみましたけど)


なので、例えばですが、その部署に本来、経営陣から期待されている役割と、実際にその部署で働いている人たちが認識している自部署の担うべき役割について認識のGAPがあった場合、その部署で働いている人たちの視点で採用活動を行うと、実際に採用した人の果たせる役割は前者にはほど遠いものになるのは明らかです。

それは、採用された人が悪いわけではなくて、採用する側がどういう課題を念頭に採用活動を行ったかによって変わってくる部分ですから、もちろん採用側の問題なわけです。



まあ、そこまで致命的な乖離があった場合には、そもそも中途採用が云々の前に、そのGAPを埋めるような努力をしておかないとダメなのですが、人事としては

この部署/人が 採用したがっている人物像は、それで本当に会社として間違いないのか?


という疑いの目を持って、やっていかないといけない、というわけなのです。



簡単に言うと、窓際に座っている課長代理さんが、「彼はいいねえ」と言ったからと言って、採用してもいいのか、ということです。
(ま、窓際族の方が、面接に登場してくる可能性は少ないとは思いますが)
だから、面接に一緒に出ている人の「いいね!」を信頼してもいいかどうか決めるためにも、少なくともその人に対する周囲の評価は事前に頭に入れておいたほうがいいですよ、というわけです。



こういうことを考えると、人事にとっての本当の意味での「お客様」は、いわゆる社員ではなくて「経営陣」だったりするんだよなあ、と思ったりする訳です。


あ、なんだか長くなってきたので今日はこのあたりで。





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