【新卒・キャリア】話の長い応募者は致命的

2010年12月21日
今日は話が長くて困る応募者について。

先日、これまでどおりに頑張ります、と言われてもピンとこないこと、という記事で、口数が少なくてアピールできない応募者について書きましたが、今回はその逆バージョンですね。


何にせよ、話が長い応募者は困ります。


面接は時間が区切られているわけで、人によってあまりにも長さが違うと公平性を欠く恐れがあるため、できるだけ1人1人に割く時間数は同程度であるべきです。


まあ、そうは言っても、もっと深く掘り下げて色々聞きたい人や、途中で聞くことがなくなってしまう人もいますので、必ずしも同じだけの時間数でその人のことがある程度わかる、というものでもないのですが、話が長いと、要点までたどり着けないことがあったりするわけです。


ということはつまり、同じ時間数面接をしても、
合否を決める判断材料が少なくなってしまうのです。


「転職を希望されている理由を教えて頂けますか?」
「はい、私は○○の仕事をしているのですが、昨今の不況で非常に厳しい状況となっておりまして、というのも、そもそも業界的に…、そんなわけで…、あ、とはいっても、…、でもまあやはり…、あ、ところで御社の場合は…だと思うのですが、そういう…、そんなこんなで…、しかしなかなか…、…」
(既に10分間経過)


みたいなことがあるわけです。いや本当に。


基本的に、面接ですので応募者の方が話をされている間は、口を挟まずにうなずきながら聞くのがマナーだとは思うのですが、こういうケースの場合は別です。



「転職を希望されている理由を教えて頂けますか?」
「はい、私は○○の仕事をしているのですが、昨今の不況で非常に厳しい状況となっておりまして、というのも、そもそも業界的に…、そんなわけで…、」
「はい、ありがとうございます。つまり、まあ昨今の不況が引き金となっているわけですね。とはいえ、同じような環境で働かれている同僚の方もいらっしゃると存じますが、特にあなたにとって転職を決意することに至った理由を教えて頂けますか?」
「はい、それはつまり…といったわけで、あ、とはいっても、…、でもまあやはり…、」
「ははあ、つまり、もっとご自身を活かせる環境をお探しである、ということですね。」



まあ、こんな感じで、相手の話をぶったぎることになってきます。


こういう風に、ぶったぎりながら進めて行くと、テンポはよくなります。

ただし、応募者の方の話の10のうち3くらいを聞いた時点で、ある程度判断しながら話を進めて行くことになるので、後半が蛇足なタイプの人の場合は問題ないのですが、一番大事なことを一番最後に言うタイプの人だった場合、かなりもったいないことになります。


面接時間があと10分くらいのところで、「し、しまった!読み間違えてた・・!」ということになったりとかですね。

控えめな方だったりすると、「途中で切られちゃったしな・・」と一連の流れの最後に言おうとしていた一番大事なことを、なかなか言い出せなかったりするのですね。

面接官側からすると、「そ、そんな重要なことはもっと最初に言えよ・・っ!」と思ったりもするわけですが。



そこは面接官の腕次第だったりもするのですが、あまりうまくない面接官だった私からのメッセージとしては、そうそう面接官の力量にも期待しないほうがいいと思いますので、「話が長いのは致命的」ということを肝に銘じて頂くのが、やっぱり一番いいかな、と思うわけです。






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【新卒・キャリア】帰属意識って結構重要だと思うこと

2010年12月18日
就職活動や転職活動をしているときには、あんまり聞かない話だと思うのですが、
会社に対する帰属意識って結構重要だと思うのです。


新卒であれば、「自分が何をしたいか」「将来どうなっていたいか」についてはよく聞かれるし、話をする機会も多くあります。転職であれば、「自分のキャリアをどう活かせるか」という点に、応募者側も採用者側も、話題が終止します。

ですが、最終的に、その人がとある企業に就職/転職してハッピーかどうかというのは、その集団に対して帰属意識を抱けるかどうか、という点に限られるような気がしないでもありません。



よく、新卒さんだと「営業会社は嫌だ」「ノルマがある仕事は嫌だ」という話を聞きますが、でも実際、そういう会社で楽しく働いている人たちもいるわけです。

じゃあ、そういう人たちは、何が楽しくてそういう企業で働いているかというと、別にみんながみんな、嫌々働いているわけでは全くないわけです。
目標に向かって一致団結していく組織内の雰囲気であったり、その中で有象無象のことがあっても助け合ってやっていく仲間同士の間にある共有感であったり、そういうものに対して何らかの一体感や帰属意識といったものが、彼らを支えていることが多いような気がします。


まあもちろん、「みんなで頑張ってやってます!」みたいな雰囲気だけが帰属意識のありようではなくて、いわゆる誰しも知っている一流企業なんかも、その社名というブランドで、みんなに帰属意識を抱かせているわけです。まあ、ブランド力のある会社をイメージしていただければわかりやすいと思います。
テレビでCMが流れるような企業であれば、自社のCMが流れるたびに「これが俺の働いている会社だ」と認識するでしょうしね。


なので、組織の内容であったり、ブランド名であったり、はたまた社長という名のカリスマであったり、人によって「象徴」は異なるとは思いますが、まあひっくるめたところでの「帰属意識」っていうのは、結構大事だなあ、と思うのです。


まあ、要するに、自分は何に(対象)、どのように(スタイル)、誰と(関係性)、関わっているのか、そのいずれかに対して、誇りを持てれば、仕事を楽しむのはそれほど難しいものではないと思うのです。


なので、仕事内容にもさして興味がなく、どういう風に仕事をするかにもさしてこだわりがなくっても、「こいつらと一緒に頑張るんだ」というところに焦点があたっている人は、それだけで一定以上のパフォーマンスを発揮していたりします。


とはいえ、帰属意識を抱かせてくれるような環境で働ける、っていうのはそれだけでラッキーなことであって、なかなか望んで手に入れられるものでもないんですけどね。

でも、手に入れられたとしたら、それはものすごく稀でラッキーかつハッピーなことで、そして、望んでいるのに手にいれられないとしたら、それは自分のありようの問題なんじゃないですか、ということに終止してしまうんですけどね。


まあでも、「目的を持って、それを達成するために働いていくこと、それだけが人生の目標の中で重要なことだ」、という風にとらえられがちな就職市場をみていると、働いて生きていくって、それだけじゃないよなあ、ということを思ったりするわけです。


なんかいまいちわかりづらくってすみません。
あまり就職にも転職にも役立つ内容ではないですが、ふと思ったことでした。




【面接官の心得】採用部署のメンバーに面接同席してもらうときに気をつけるべき事

2010年12月14日
今日は、面接官の心得シリーズなのですが、
今まで書いて来たような「普段面接をしていない人が、面接官をすることになったときの心得」ではなくて、人事向けの心得です。


採用部署のメンバーと一緒に面接をする、というのはよくあることです。

特定部署の人員を補填する意味で行う中途採用面接の場合には特に、人事だけで面接を行うケースよりも、部署メンバーと一緒に行っていく手法のほうが一般的だと思われます。

当然、ある程度固定のメンバーと何度か一緒に面接を行っていくことになるのですが、そのときに気をつけなければならないことについてです。


まあ、部署代表として面接官として出席されるので、全くのぺーぺー平社員が登場する、ということはなく、いわゆる課長職とか、課長代理職、のような人が面接に登場するのが一般的なのですが、ここで気をつけなければならないのが、その人に対する周囲の評価はどうなのか、という点です。


まあですねえ、なんというか企業の中の手練手管、みたいな感じであまり胸を張って言える事柄ではないのですが、そこそこの規模の企業で、そこそこのポジションについている人であっても、
周囲から120%の信頼を得ている、上司からも部下からも他の部署からも、仕事面でも人柄でも、という人物はまれな存在であって、人間であるからには何かしらの欠点はあるはずなのです。

とは言え、一緒に何人かを面接していったりしていくと、その相手の人物評や、その相手が求めている人物像に、やっぱりそれなりに影響は受けて行くものです。

「一緒に面接をしている人が求めているような人」を採用するだけなら、それはまあそんなに難しくないのですが、場合によってはなかなかそうもいかないわけなのですね。



人事の仕事っていうのは、まあかっこよく言うと、
「事業を推進していく上で必要な人的資源を確保する」ことが重要だったりします。特に中途採用の場合。(いや本当にかっこよく言ってみましたけど)


なので、例えばですが、その部署に本来、経営陣から期待されている役割と、実際にその部署で働いている人たちが認識している自部署の担うべき役割について認識のGAPがあった場合、その部署で働いている人たちの視点で採用活動を行うと、実際に採用した人の果たせる役割は前者にはほど遠いものになるのは明らかです。

それは、採用された人が悪いわけではなくて、採用する側がどういう課題を念頭に採用活動を行ったかによって変わってくる部分ですから、もちろん採用側の問題なわけです。



まあ、そこまで致命的な乖離があった場合には、そもそも中途採用が云々の前に、そのGAPを埋めるような努力をしておかないとダメなのですが、人事としては

この部署/人が 採用したがっている人物像は、それで本当に会社として間違いないのか?


という疑いの目を持って、やっていかないといけない、というわけなのです。



簡単に言うと、窓際に座っている課長代理さんが、「彼はいいねえ」と言ったからと言って、採用してもいいのか、ということです。
(ま、窓際族の方が、面接に登場してくる可能性は少ないとは思いますが)
だから、面接に一緒に出ている人の「いいね!」を信頼してもいいかどうか決めるためにも、少なくともその人に対する周囲の評価は事前に頭に入れておいたほうがいいですよ、というわけです。



こういうことを考えると、人事にとっての本当の意味での「お客様」は、いわゆる社員ではなくて「経営陣」だったりするんだよなあ、と思ったりする訳です。


あ、なんだか長くなってきたので今日はこのあたりで。





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【新卒・キャリア】「新卒もOK」な求人の意図

2010年12月04日
ごぶさたしておりましてすみません。
すっかり冬ですね。

ちなみにこのブログを始めたのが2008年11月30日でした。
もう2年経ちました。
最近は、採用担当をしていた頃の記憶も薄れ始めまして、なかなかそう書けるネタもないのですが、読んでくださっている方もいるし、まあボチボチ更新していこうと思っております。


先月のことで、ちょっと時間がたってしまいましたが、
既卒者でも卒業後3年間は新卒扱いにする、という指針が出ました。

【 2010年11月16日 卒業後3年間は新卒枠に 厚労省が指針改正 】



ま、そうですよね。
卒業してから1年しか経っていないのに、「既卒者」扱いされて正社員になりにくいなんて、どんな生存競争レースだよ、と思いますが、今年度の卒業予定者のうち50%以上がまだ内定がないという県があったりする、すさまじい就職難の状況をふまえて、学生さんの雇用門戸を少しでも広げるという狙いなのでしょう。


しかし、そうなってくると、新卒といわゆる第2新卒と中途組が入り乱れての、就職戦線ということになっていくわけで、それはそれでなかなか厳しい状況であるなあ、と思う訳です。



先日、コメント欄で「転職サイトで”新卒も応募可”で募集されている求人の意図を教えて下さい。 」という質問を頂きましたが、まさしくそんな状況になっていくわけですね。


中途でも新卒でもOK、としている仕事の特徴というのは、
・専門性はそれほど必要とされておらず、それよりも柔軟性と順応性と努力が必要である。
・前向きにやる気があればやれるが、受け身な姿勢ではまず無理である。
というところだと思います。

こういう会社の場合、「研修制度は充実しているかな」といった期待はしないほうがいいと思います。


もし、新卒の方がこういう職場に応募するのであれば、覚悟しておいたほうがいいことがいくつかあります。

・自分が何をしたらいいか、教えてくれる人が必ずしもそばにいるとは限らない。
・「同期」と呼ばれるような、同世代で同じ状況の仲間はまずいないと思った方がいい。
・「新卒だから」という言い訳はまず通じない。他の人と同じ「社員」という目で見られる。

まあ、厳しい点ばかり書いてみたが、こんな感じです。


いわゆる「新卒」扱いの会社よりも扱いはシビアだと思ったほうがいいわけで、しかし、その代わりに得られるものもあって、その気があれば、成長のスピードはむしろ早いかもしれません。


「高校を卒業してー、大学に入ってー、企業に就職してー、先輩や同期がたくさんいてー、」みたいな王道コースを歩んで来た人ばかりが周囲にいる状況よりは、なんというかこう、人生の多様さというか、世間の奥深さというか、色んな人生があるんだな、みたいなことへの実感は間違いなく出てくるでしょうし、整然と整備された「人生のコース」は歩まない代わりに、そこから脱落する恐怖もないだろうし、自分の力次第でなんとでものし上がれる環境だからです。


まあなので、まずは応募してみるのがいいと思います。
仕事も、なんだってそうでしょうが、やってみないことには、自分が何ができて何が好きなのかもわからないでしょうし、そこから次に進むこともできませんから、まずは何でもいいから第一歩を踏み出してみるのが大事だと思います。


あ、なんだか説教臭くなってしまって恥ずかしいですが、
相変わらず無責任な回答で申し訳ないのですが、チャレンジしてみたらいいんじゃないですかね!という話でした。



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