【心の問題】うつの原因は、組織にあるのか個人にあるのか
2009年04月23日
今日は本当は、昨日の前フリを受けて障害者雇用の話を書こうと
思っていたのですが、ちょっと脱線。
面白いブログを発見しました。
kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
ホンモノの精神科医の方が書いているブログで、有名みたいです。
人をうつに陥れる達人
というエントリーがあり、おお!と思いました。
(こういうときは、トラックバックなる機能を使うのが普通らしいのですが、
やり方がいまいちわからなかったので、普通にリンク貼ってみた。)
以前、自分が書いたエントリーで、
ちょっと似たようなテーマについて考えてみたことがあり、
ものすごく興味深かったのです。
参考↓↓
【心の問題】うつの連鎖反応(うんちく版)
【心の問題】うつの連鎖反応(ストーリー版)
kyupinさんの記事では
明確に結論付けられているわけではないが、
「人をうつに陥れる達人」はPsychopath(プシコパートorサイコパス)の
一種と想定されるのだが、彼らはその環境要因により、
「人の気持ちに対して配慮する」という繊細な(?)心の機能が
欠落してるか弱まっているのだろう、
といったようなことが書いてあります。
(ちょっと内容が専門的で難しかったので、あってるかどうか自信なし)
なるほどなー、という感じです。
まさしくなー、という感じです。
いるいる、こんな人、という感じです。
私は、今も昔も職業柄 or 性格上、
なぜうつになるのか?というテーマを、
肩肘はって組織論的な感じで語ろうとしていたようですが
(過去エントリー見るとそんな感じ、と他人事みたいに書いてみる)
kyupinさんの記事は、独自な視点で、
原因となる人物像について語られており、
ものすごく納得感があります。
そして、新卒さんで就職活動中の方々は、
「会社って、こんな人がいるんだ・・・」と
戦々恐々として頂ければいいかと。フフフ
出現率は企業体質によって違いますが、そんなに珍しいことじゃなく、
こういう人はどこにでもいます。
kyupinさんのブログ、おもしろいので読んでみてください。
思っていたのですが、ちょっと脱線。
面白いブログを発見しました。
kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
ホンモノの精神科医の方が書いているブログで、有名みたいです。
人をうつに陥れる達人
というエントリーがあり、おお!と思いました。
(こういうときは、トラックバックなる機能を使うのが普通らしいのですが、
やり方がいまいちわからなかったので、普通にリンク貼ってみた。)
以前、自分が書いたエントリーで、
ちょっと似たようなテーマについて考えてみたことがあり、
ものすごく興味深かったのです。
参考↓↓
【心の問題】うつの連鎖反応(うんちく版)
【心の問題】うつの連鎖反応(ストーリー版)
kyupinさんの記事では
明確に結論付けられているわけではないが、
「人をうつに陥れる達人」はPsychopath(プシコパートorサイコパス)の
一種と想定されるのだが、彼らはその環境要因により、
「人の気持ちに対して配慮する」という繊細な(?)心の機能が
欠落してるか弱まっているのだろう、
といったようなことが書いてあります。
(ちょっと内容が専門的で難しかったので、あってるかどうか自信なし)
なるほどなー、という感じです。
まさしくなー、という感じです。
いるいる、こんな人、という感じです。
私は、今も昔も職業柄 or 性格上、
なぜうつになるのか?というテーマを、
肩肘はって組織論的な感じで語ろうとしていたようですが
(過去エントリー見るとそんな感じ、と他人事みたいに書いてみる)
kyupinさんの記事は、独自な視点で、
原因となる人物像について語られており、
ものすごく納得感があります。
そして、新卒さんで就職活動中の方々は、
「会社って、こんな人がいるんだ・・・」と
戦々恐々として頂ければいいかと。フフフ
出現率は企業体質によって違いますが、そんなに珍しいことじゃなく、
こういう人はどこにでもいます。
kyupinさんのブログ、おもしろいので読んでみてください。
【心の問題】面接で「うつ病」のことを伝えるか
2009年04月22日
「うつ」は、いわゆる「うつ病」とか「うつ状態」とか色々ありますが、
実際にそういう状態になった人、なりかけた人、たくさんいます。
考えてみると、私自身も、あー、あの頃はおかしかったなー、
という時期があります。
もしかして病院に行ったら、診断されてたかもしれません。
(たいていの医者は、わりと簡単にうつ診断しますから。)
うつになると、会社に行って普通に仕事をすることが
なかなか難しくなるので、退職する人も出てきます。
でも、そういう方もやっぱり働かないと生きていけないわけで、
症状が治まってくると、再就職ということになります。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、
ここで、ひとつ問題が発生します。
「うつ病であることを、
面接の場で伝えたほうがいいか?」
うーん、これは大変難しいです。
本当はね、言ったほうがいいと思います。
新しい環境で働くとなると、色々とストレスもかかりますし、
症状がずっと安定しているとも限らない。
ちゃんと伝えて、それを理解してもらった上で、
入社できるのが一番いいです。
でも、やっぱり、
面接の場で、うつ病であることは言わないほうがいいと思います。
そのことを受け入れてくれる会社に入社したい、というなら
言ったほうがいいと思いますが、
「うつ病」であることを受け入れて採用する会社は、
まあ、まずないでしょう。
私が現役採用担当者だったら、採用しません。
なぜなら、
何がきっかけで出社できなくなるかわからない、
というリスクが高いからです。
誰しも、「何か」がきっかけで出社できなくなる可能性はありますが、
その可能性が他の人よりも高い、と判断してしまいます。
リスクも高いけど、リターンも高いかもしれない、という人と、
リスクは高くなく、リターンはそこそこ、という人、
どちらが採用されやすいかというと、後者なわけです。
リスクは高いけど、リターンもそこそこ、だと
なおさら、採用しづらくなります。
というところが、
世の中の採用担当者の正直なところだと思います。
だからやっぱり、面接の場でうつのことは話さないほうがいいと思います。
しつこいようですが、そのことを
「恥だと思え!一生隠して暮らせ!」と言っているわけではありません。
入社した後、職場の中でこの人になら伝えられるな、と思ったら、伝えたらいいです。
(「あの人、鬱なの隠して入社したんだって。」とか陰口言わない人)
通常、転職前に健康診断がありますが、
わりと通りいっぺんの診断の受診がほとんどですので、
そこで「うつ病」であることが発覚!みたいなケースは稀だと思います。
ただし、障害者雇用枠での採用なら、また話は別ですけど。
次回は、障害者雇用の話。
実際にそういう状態になった人、なりかけた人、たくさんいます。
考えてみると、私自身も、あー、あの頃はおかしかったなー、
という時期があります。
もしかして病院に行ったら、診断されてたかもしれません。
(たいていの医者は、わりと簡単にうつ診断しますから。)
うつになると、会社に行って普通に仕事をすることが
なかなか難しくなるので、退職する人も出てきます。
でも、そういう方もやっぱり働かないと生きていけないわけで、
症状が治まってくると、再就職ということになります。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、
ここで、ひとつ問題が発生します。
「うつ病であることを、
面接の場で伝えたほうがいいか?」
うーん、これは大変難しいです。
本当はね、言ったほうがいいと思います。
新しい環境で働くとなると、色々とストレスもかかりますし、
症状がずっと安定しているとも限らない。
ちゃんと伝えて、それを理解してもらった上で、
入社できるのが一番いいです。
でも、やっぱり、
面接の場で、うつ病であることは言わないほうがいいと思います。
そのことを受け入れてくれる会社に入社したい、というなら
言ったほうがいいと思いますが、
「うつ病」であることを受け入れて採用する会社は、
まあ、まずないでしょう。
私が現役採用担当者だったら、採用しません。
なぜなら、
何がきっかけで出社できなくなるかわからない、
というリスクが高いからです。
誰しも、「何か」がきっかけで出社できなくなる可能性はありますが、
その可能性が他の人よりも高い、と判断してしまいます。
リスクも高いけど、リターンも高いかもしれない、という人と、
リスクは高くなく、リターンはそこそこ、という人、
どちらが採用されやすいかというと、後者なわけです。
リスクは高いけど、リターンもそこそこ、だと
なおさら、採用しづらくなります。
というところが、
世の中の採用担当者の正直なところだと思います。
だからやっぱり、面接の場でうつのことは話さないほうがいいと思います。
しつこいようですが、そのことを
「恥だと思え!一生隠して暮らせ!」と言っているわけではありません。
入社した後、職場の中でこの人になら伝えられるな、と思ったら、伝えたらいいです。
(「あの人、鬱なの隠して入社したんだって。」とか陰口言わない人)
通常、転職前に健康診断がありますが、
わりと通りいっぺんの診断の受診がほとんどですので、
そこで「うつ病」であることが発覚!みたいなケースは稀だと思います。
ただし、障害者雇用枠での採用なら、また話は別ですけど。
次回は、障害者雇用の話。
【心の問題】うつの連鎖反応(うんちく版)
2009年02月27日
うつの連鎖反応、昨日のストーリー版に続いて、
今日はうんちく版です。
a)仕事内容が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
b)仕事環境が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
c)そもそも、その部署にはうつになりやすい人が集まっている。
こないだもちょっと書きましたが、この条件が3つとも満たされたとき、
うつ病が発生しやすいような気がします。
a)仕事内容が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
→様々な人・部署との調整業務をメインとするような
バランス感覚の必要とされる仕事や、
業務内容や責任のわりに達成感の得られにくい仕事、
なんかがあてはまると思います。
b)仕事環境が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
→部署のリーダーが絶大な権力を持っている一方で、
人格的に問題がある場合や、デキない人間は過度に蔑まれる雰囲気、
まあいわゆる「助け合い」といったものが全く部署の中に存在しない
場合などがあてはまります。
c)そもそも、その部署にはうつになりやすい人が集まっている。
→たとえば、「比較的うつになりやすい性質」と言われるような
真面目にコツコツ几帳面、といったことが仕事柄必要とされる部署なんかだと、
そういう人が集められるので、単なる個人の性格というよりも、
それが集団の特性となっていたりします。
そして、身近なところにうつ病の人が出てくると、
その分、仕事をカバーしなくてはいけなくて、より一層ハードワークになり、
かつ、職場であまりオープンにできない話なんかが出てきて、
コソコソ「うつ」についてうわさが広まっていき、
ちょっとしたことでつまづいてリズムを壊したときに、
「アレ、これって、うつなのかな・・」
となっていくのです。
身近に「うつ病」である人がいると、
「アレ、これって、うつなのかな・・」と思う確率は、
そういう人が周囲に全然いない状況と比較すると、格段に高いです。
そして、「アレ・・?」と思ったことをきっかけに、
心療内科なんかに行くと、本人が「うつなんだと思う」と言うと、
大抵のお医者さんは、うつ認定をします。
(→関連する記事はコチラ)
そして、「うつなのかも?」が「ああ、やっぱりうつなんだ」になり、
周囲から見ると、「うつってうつるんだ・・」となるわけです。
こういうスパイラルに陥らないように、一番効果があるのは
職場に一人でいいから、普通に腹を割って話せる人がいることですね。
「Aさん、うつなんだってよ。」
「まじ、オレらもヤバイよなあ。」
「ほんと、ひとごとじゃないぜ。」
「お前、Aさんの代わりにやってるあのタスク、やばくね?オレもやるよ。」
「いや、いいってそんな・・」
「だって、別にお前がやらなきゃいけないって決まってるもんじゃねーしさ。」
みたいな会話さえできれば、
一人でうつスパイラルに入らなくてもいいように思います。
まずは、ちょっとしたランチ友達あたりから・・。
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ ナカマ
「うつの連鎖反応シリーズ」はこれで終わり。
今日はうんちく版です。
a)仕事内容が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
b)仕事環境が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
c)そもそも、その部署にはうつになりやすい人が集まっている。
こないだもちょっと書きましたが、この条件が3つとも満たされたとき、
うつ病が発生しやすいような気がします。
a)仕事内容が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
→様々な人・部署との調整業務をメインとするような
バランス感覚の必要とされる仕事や、
業務内容や責任のわりに達成感の得られにくい仕事、
なんかがあてはまると思います。
b)仕事環境が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
→部署のリーダーが絶大な権力を持っている一方で、
人格的に問題がある場合や、デキない人間は過度に蔑まれる雰囲気、
まあいわゆる「助け合い」といったものが全く部署の中に存在しない
場合などがあてはまります。
c)そもそも、その部署にはうつになりやすい人が集まっている。
→たとえば、「比較的うつになりやすい性質」と言われるような
真面目にコツコツ几帳面、といったことが仕事柄必要とされる部署なんかだと、
そういう人が集められるので、単なる個人の性格というよりも、
それが集団の特性となっていたりします。
そして、身近なところにうつ病の人が出てくると、
その分、仕事をカバーしなくてはいけなくて、より一層ハードワークになり、
かつ、職場であまりオープンにできない話なんかが出てきて、
コソコソ「うつ」についてうわさが広まっていき、
ちょっとしたことでつまづいてリズムを壊したときに、
「アレ、これって、うつなのかな・・」
となっていくのです。
身近に「うつ病」である人がいると、
「アレ、これって、うつなのかな・・」と思う確率は、
そういう人が周囲に全然いない状況と比較すると、格段に高いです。
そして、「アレ・・?」と思ったことをきっかけに、
心療内科なんかに行くと、本人が「うつなんだと思う」と言うと、
大抵のお医者さんは、うつ認定をします。
(→関連する記事はコチラ)
そして、「うつなのかも?」が「ああ、やっぱりうつなんだ」になり、
周囲から見ると、「うつってうつるんだ・・」となるわけです。
こういうスパイラルに陥らないように、一番効果があるのは
職場に一人でいいから、普通に腹を割って話せる人がいることですね。
「Aさん、うつなんだってよ。」
「まじ、オレらもヤバイよなあ。」
「ほんと、ひとごとじゃないぜ。」
「お前、Aさんの代わりにやってるあのタスク、やばくね?オレもやるよ。」
「いや、いいってそんな・・」
「だって、別にお前がやらなきゃいけないって決まってるもんじゃねーしさ。」
みたいな会話さえできれば、
一人でうつスパイラルに入らなくてもいいように思います。
まずは、ちょっとしたランチ友達あたりから・・。
ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ ナカマ
「うつの連鎖反応シリーズ」はこれで終わり。
【心の問題】うつの連鎖反応(ストーリー版)
2009年02月26日
「うつの連鎖反応」について、
私がこういうものではないか、と思うところを
今日はストーリー仕立てでご紹介です。
************
同じ部署のAさんがどうも最近、きちんと会社に来ない。
朝、定時にちゃんと出勤していることがほとんどなく、昼過ぎや
遅いと夕方近くにやってくることもある。
マネージャーは、「あいつはほんと、仕事も遅い上に
会社にも来ないんじゃ、どうしようもねえな。」とかなんとか、
彼の悪口を言いながら、メンバーと笑っている。
そんな感じだから、Aさんが出勤してきた時の雰囲気もよくはない。
あからさまに文句を言ったりする人がいるわけではない。
でも、みんなが彼を無視している。
まるで、そのことについて話をしてはいけないようだ。
Aさんに、「なんでちゃんと来ないんだ」と正面きって聞く人もいない。
別にAさんが会社に来なくても、別にどうでもいいのだが、
彼の仕事が進まないせいで、私の仕事にまで影響が出ているのが腹が立つ。
彼の仕事は、社内の意見を取りまとめ、調整し、
週に一回の会議までに、全体の内諾をとっておくことだ。
そのことをマネージャーに訴えたところ、メンバー全員がいる前で、
「君、そんなことで仕事が進まないなんて私に訴えてくるなんて、
認識が間違っているよ。何年やってるの?
ちゃんと解決策を持ってこなくちゃ、
ただのクレーマーと一緒だよ、クレーマー!」
正直、マネージャーが言っていることは支離滅裂だと思う。
だが、メンバーの前で、しかも他の部署にも聞こえるような
大声であんなことを言われて、私は恥ずかしさのあまり、
顔が熱くなり、口もきけなくなり、反論もできなかった。
マネージャーのことは、もうあてにしない。
私はAさんの分も仕事をカバーすることにした。
もはや彼は、ほとんど出勤しない。休んだままだ。
どういう扱いになっているのか、部署のメンバーは全く知らない。
どうやら「うつ病」らしい、といううわさを聞いた。
毎日、帰りが午前すぎになる日が続いた。
ある日、私は寝坊してしまった。
飛び起きて会社に電話し、急いで出勤した。
到着と同時に、開口一番、マネージャーがこう言った。
「ようやく重役出勤ですかー!」
上司は笑っている。みんな笑っている。
確かにそのとおりだ。私としたことが、どういうことだろう…。
どうもあれ以来、朝きちんと起きられない。いや、起き上がることはできる。
ただ、支度にひどく時間がかかる。
先日などは、靴を履こうと玄関に座ったまま、気づくと1時間も経ってしまっていた。
最初の頃は、定刻前に、会社に電話連絡をしていたが、
それすらも億劫になってき、メールで連絡するようになり、
ついには昨日は連絡せずに、結局会社に行けなかった。
どうもこのごろ、Aさんの気分がなんとなくわかるような気がしてきた。
これが、うつなんだろうか。
************
私が見てきた中で、一番多かったのは
こんな感じのケースでしょうか。
(あ、ちなみに内容は完全なフィクションです。)
解説はまた明日。
私がこういうものではないか、と思うところを
今日はストーリー仕立てでご紹介です。
************
同じ部署のAさんがどうも最近、きちんと会社に来ない。
朝、定時にちゃんと出勤していることがほとんどなく、昼過ぎや
遅いと夕方近くにやってくることもある。
マネージャーは、「あいつはほんと、仕事も遅い上に
会社にも来ないんじゃ、どうしようもねえな。」とかなんとか、
彼の悪口を言いながら、メンバーと笑っている。
そんな感じだから、Aさんが出勤してきた時の雰囲気もよくはない。
あからさまに文句を言ったりする人がいるわけではない。
でも、みんなが彼を無視している。
まるで、そのことについて話をしてはいけないようだ。
Aさんに、「なんでちゃんと来ないんだ」と正面きって聞く人もいない。
別にAさんが会社に来なくても、別にどうでもいいのだが、
彼の仕事が進まないせいで、私の仕事にまで影響が出ているのが腹が立つ。
彼の仕事は、社内の意見を取りまとめ、調整し、
週に一回の会議までに、全体の内諾をとっておくことだ。
そのことをマネージャーに訴えたところ、メンバー全員がいる前で、
「君、そんなことで仕事が進まないなんて私に訴えてくるなんて、
認識が間違っているよ。何年やってるの?
ちゃんと解決策を持ってこなくちゃ、
ただのクレーマーと一緒だよ、クレーマー!」
正直、マネージャーが言っていることは支離滅裂だと思う。
だが、メンバーの前で、しかも他の部署にも聞こえるような
大声であんなことを言われて、私は恥ずかしさのあまり、
顔が熱くなり、口もきけなくなり、反論もできなかった。
マネージャーのことは、もうあてにしない。
私はAさんの分も仕事をカバーすることにした。
もはや彼は、ほとんど出勤しない。休んだままだ。
どういう扱いになっているのか、部署のメンバーは全く知らない。
どうやら「うつ病」らしい、といううわさを聞いた。
毎日、帰りが午前すぎになる日が続いた。
ある日、私は寝坊してしまった。
飛び起きて会社に電話し、急いで出勤した。
到着と同時に、開口一番、マネージャーがこう言った。
「ようやく重役出勤ですかー!」
上司は笑っている。みんな笑っている。
確かにそのとおりだ。私としたことが、どういうことだろう…。
どうもあれ以来、朝きちんと起きられない。いや、起き上がることはできる。
ただ、支度にひどく時間がかかる。
先日などは、靴を履こうと玄関に座ったまま、気づくと1時間も経ってしまっていた。
最初の頃は、定刻前に、会社に電話連絡をしていたが、
それすらも億劫になってき、メールで連絡するようになり、
ついには昨日は連絡せずに、結局会社に行けなかった。
どうもこのごろ、Aさんの気分がなんとなくわかるような気がしてきた。
これが、うつなんだろうか。
************
私が見てきた中で、一番多かったのは
こんな感じのケースでしょうか。
(あ、ちなみに内容は完全なフィクションです。)
解説はまた明日。
【心の問題】同じ部署でうつ病が多発する
2009年02月25日
今日は、面接裏マニュアルとはあんまり関係ない話です。
昨日の記事で「うつな気分が周囲を巻き込む・・」
と書いていて、ふと思い出しました。
「うつは伝染(うつ)る」
と主張する人たちがいます。
まあウイルスで発症する病気じゃありませんからね。
物理的な「伝染する」とは違うんですけど。
それに、なんか語弊が大きいというか、
うつ病と戦っている人が聞いたら怒り心頭な話なんですけど。
私も別に、リアルに伝染するとは思っていませんが、
人事の仕事をしていた期間、「確かにね」と思う状況には
しょっちゅう出会いました。
うつの連鎖反応、とでも言うんでしょうか。
いわゆる部署やチームのような小さな集団(せいぜい10名程度)で、
相ついで、うつ病になる人が
出ることが結構よくあります。
考えられる可能性は3つです。
a)仕事内容が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
b)仕事環境が、うつ状態を引き起こしやすいものである。
c)そもそも、その部署にはうつになりやすい人が集まっている。
ちなみに、私が所属していた部署、つまり人事もそうでした。アハ
ハイ、答え!
・・・・・・
まあ、正直この3つ、どれも原因だと思います。
むしろ、この3つが重なりあったときに、発症するんじゃないでしょうか。
明日は、うつになりやすい仕事、うつになりやすい環境、
うつになりやすい性格、そしてうつの連鎖反応のきっかけ、をご紹介。